AIに何を聞けばいいか分からないなら、「困っていること」から始めよう

AIを開いたものの、何を入力すればいいのか分からず、そのまま閉じてしまう。そんなときは、上手な質問を考え込まなくて大丈夫です。

まずは今の困りごとを、普段の言葉で一文にしてみましょう。質問の形になっていなくても構いません。むしろ「何を聞けばいいか分からない」とAIに伝え、必要なことをAI側から質問してもらうのが、最初の入口になります。

この記事の結論
完璧な質問より、今困っていることを伝えること。質問を作れないときは、AIに「必要なことを質問してください」と頼めば、会話を始められます。

取材では、「何をするにしても何を聞いたらよいのか分からない」と感じるという声がありました。一方で、以前は1から10まで伝える必要があると思っていたものの、今は困ったところを一つずつ確認しながら進めているそうです。途中で解決することもあれば、うまく進まないこともある。だからこそ、一度の質問で答えを完成させようとしない姿勢が役立ちます。

【ここに「AIの画面に困りごとを入力し、AIから質問を受けながら相談を始めるイメージ」の画像を挿入】

「質問」ではなく「状況の説明」を渡してみる

AIへの入力は、試験問題のように正解の聞き方を当てるものではありません。まずは状況を説明し、足りない情報があれば会話の中で足していけば十分です。OpenAIも、目的や背景を明確にしながら、複雑な依頼を小さく分けて改善していく方法を案内しています。OpenAI Help Center

たとえば、議事録をうまくまとめられないとき、最初から長い指示を書く必要はありません。

最初の一文の例
「会議の議事録を短くまとめられず困っています。参加者に送るために、要点を3つにしたいです。」

この一文には、「何に困っているか」「何のために使うか」「どんな形にしたいか」が入っています。すべてを説明し切れていなくても、次の会話の土台になります。返答が期待と違ったら、「専門用語を減らして」「箇条書きにして」のように、直したい点を一つだけ伝えてみましょう。

質問を作れないときは、AIに質問役を頼む

何を伝えればいいかすら分からない場合は、次のように入力できます。

そのまま使える最初のひと言

私はAIの使い方がまだ分かりません。いま「○○」に困っています。何を伝えればよいか、あなたから必要なことを質問してください。

取材回答にも、「私はあなたの使い方がわかりません。何を聞いたらいいのかわからないので、あなたから質問をしてください」と入力する方法が挙げられていました。分からないことを隠さずに言葉にすることが、会話を進めるきっかけになります。

AIからの質問に答えられないときは?

分からないまま適当に答える必要はありません。「分からないので、選択肢で聞いてください」「初心者向けに一つずつ質問してください」と返してみましょう。必要な情報を一緒に整理する流れに変えられます。

「分からないから適当に答えてしまう」のは、もったいない聞き方になりがちです。AIは相手の事情を自動で正確に理解しているわけではありません。曖昧な部分があれば、曖昧だと伝えるほうが次の質問を調整しやすくなります。

小さく往復して、答えを自分向けに近づける

使い方は、次の4段階で考えるとシンプルです。

最初にすること
  1. 困りごとを一文で書く
  2. 目的か相手を一つ足す
返答のあとにすること
  1. 必要ならAIに質問してもらう
  2. 修正は一つずつ頼む

例えば「案内文を書きたい」では広すぎると感じたら、「初めて来る人向けの案内文を書きたい。やさしい言葉で、300字程度にしたい」と条件を一つ足します。さらに、「見出しを付けて」「具体例を一つ入れて」と追加していく。最初の返答は下書きとして受け取り、会話を重ねて整えるイメージです。

取材でも、困ったところを一つずつ確認する中で途中で解決することがある、と語られていました。逆に進まないこともあります。そのときは、質問が下手だったと決めつけず、目的、前提、希望する形式のどれかを一つ足してみましょう。

【ここに「困りごと→目的を足す→AIの確認質問→一つ修正、の4段階を示す図解」の画像を挿入】

役割指定は「相手・用途・形」と組み合わせる

取材では、「あなたはプロの○○です」と、その道に精通した役割を指定すると回答の質が良くなると感じる、という意見もありました。役割指定は、どの視点や言葉づかいを期待しているかを伝える補助になります。

ただし、役割だけを指定すれば重要な判断まで任せられる、ということではありません。読む相手、使う目的、出力の形まで添えると、意図が伝わりやすくなります。

役割指定の例
「初心者向けのIT講師として、専門用語を避け、3つの手順で説明してください。」

この例なら、AIに期待する立場だけでなく、読者と説明の形も伝えています。OpenAIも、目的を自然な言葉で示し、返答を見ながら追加質問する使い方を案内しています。OpenAI Help Center

便利だからこそ、確認と情報の扱いを忘れない

AIの文章はもっともらしく見えても、不正確なことがあります。医療・法律・お金・制度に関わる内容、数値、引用、出典は、回答をそのまま使わず、公式資料や原典、必要に応じて専門家で確認しましょう。OpenAIも、重要な情報は信頼できる情報源で確認するよう注意しています。OpenAI Help Center

AIの答えは、考えるためのたたき台。最終確認と判断は、人が担うものです。

もう一つ大切なのが、入力する情報です。氏名、連絡先、健康や支援に関する記録、顧客情報、社内の非公開情報は、そのまま貼り付けず、伏せ字・要約・匿名化ができないか先に考えます。個人情報保護委員会も、生成AIへ個人情報を入力する際は、利用規約やプライバシーポリシーを確認し、適切に判断するよう注意喚起しています。個人情報保護委員会

まとめ:今日の困りごとを一文だけ入力してみよう

AIに何を聞けばいいか分からないときに必要なのは、立派なプロンプトではありません。「いま何に困っているか」を一文で渡し、分からない部分はAIに質問してもらうことです。

  • 困りごとを普段の言葉で書く
  • 目的か相手を一つ足す
  • 質問を作れなければ、AIから質問してもらう
  • 返答を見て、一つずつ直す
  • 大切な事実と入力情報は必ず確認する

まずは今日、手元にある小さな困りごとを一つ選び、「何を伝えればよいか、必要なことを質問してください」と入力してみてください。会話の最初の一往復ができれば、AIは少し使いやすい道具になっていくはずです。